通知表の内容にがっかり!(8歳男子)
通知表の活用方法
1学期も終わりが見えてきました。夏休みまであと少しです。
もしかしたら、旅行の計画やイベントへの参加、お祭りや海へのお出かけなど、すでに予定がびっしり埋まっている家庭もあるかもしれませんね。
しかし!
楽しい気分で夏を迎えることができるかどうかは、1学期の通知表にかかっています…。いったい我が子は今学期、どのくらい勉強ができるようになったのか、その結果がもう少しで届きます。
いやいや、そんなに身構えないでください。
通知票1つで人生が左右される…、そんな大げさなものではありません。
しかし、子どもの将来、今後の成長を考えていくうえで軽視することもできません。
今回は、そんな「通知表の見方」「通知表の生かし方」について、お話していきたいと思います。
1.前回と比べることには意味がない
今学期の成績の比較対象となるとすれば、前学年の3学期の成績です。
「1年生の3学期に比べて◎が少なくなった…」
「4年生の3学期に比べて△が増えた…」
ということがあるかもしれません。
でもその見方、ちょっと待ってください。
成績が下がったように見える理由は、今の学年と前学年とでは評価の観点が違っていたり、基準が厳しくなったりしているからです。
1・2年生を例に挙げてみます。(学校によって言葉は多少違っているかもしれませんが、評価基準は同じだと思ってください)
国語の“書写”の領域では、1年生は「姿勢や用具の持ち方を正しくし、点画の長短に注意して文字を正しく丁寧に書いている」、2年生は「点画の接し方や交わり方に注意し、筆順に従って文字を正しく丁寧に書いている」という文言だったとします。
ここから読み取ってほしいのは、2年生では、「姿勢や用具の持ち方を正しくし」がなくなったのではなく、「(1年生で学んだことに加えて)、より高い能力が求められている」ということです。
略さずに書くとこんな感じでしょうか。
「(姿勢や用具の持ち方を正しくし)、点画の長短や接し方、交わり方に注意しつつ、筆順に従って文字を正しく丁寧に書いている」
一方、国語の“思考・判断・表現”が「順序立てて考える力や感じたり想像したりする力を養い、日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えをもっている」で、1・2年生とも全く同じ文言だった場合です。
その場合は、2年生では完成度の高さが求められます。例えば市販のテストで、1年生では90点でよかったのが、2年生では95点をとらないと◎にならないといった具合です。
〔これは、あくまでも例え話です。こんなに簡単に成績はつけませんよ(笑)〕
そのため、1年生と2年生の成績を単純に比較することはできません。これは、他の学年でも同じです。
◎や△の数で一喜一憂するのは、あまり意味がないのです。
2.マイナスの言葉もプラスの言葉に置き換える
いろいろあった1学期、元気にがんばって学校に行けただけで◎です。
これ以上、何を望むのでしょう。
…そんな広い心を持ちたいものですが、なかなかそうはいきません。
「あれもできていない、これも気になる、ああ、今後どうしていくべきか…」
そんな思いが込み上げて来るかもしれません。
しかし。
小さい体で、その子なりに一生懸命がんばっていたことは紛れもない事実ですよね。山や谷はあったかもしれませんが、およそ100日間、がんばり続けた我が子を、ぜひ、体全体でおもいっきり褒めてあげてほしいと思います。
できていないこと、気がかりなことがあったとしても、それは長い夏休みの間に、ちょっとずつ改善させていけば良いのです。(もちろん怒ったり、叱ったりせずに)
「でも、通知表からは褒めるポイントが見つからないんです」
という方がおられるかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。
一見、マイナスに見える言葉でも、見方を変えればプラスになるんですよ。
「学年が上がってしばらくは、授業中に近くの友達と騒がしくなってしまうことがありましたが、日を追うごとに集中して学習に取り組むことができるようになりました」
さて、この所見、褒めるポイントはいくつあるでしょう?
正解は4つです。
1つしかないと思った方、今日から意識を変えていきましょう(笑)
- 集中力がついたのね ←これは全員見つけられますね
- 集中して授業を受けようと努力したのね(自分を変えようとしたのね) ←これも気づくことができるかな
- 騒がしくなるくらい、自分の考えをしっかり伝えようとしていたのね(騒がしさの内容は、確認しておく必要があるかもしれませんが…)
- あなたはもともと明るい性格だものね。元気よく授業を受けていたのね
通知票に関わることに対しては、「そこまで褒める…?」というくらい、大げさに褒めて良いです。4か月に1回の、褒め褒め祭りです。
もちろん普段から同じように褒めていると、調子にのってしまうので、ご利用は計画的に。
3.本気や変化を見つける
お子さんの好き嫌い、得手不得手、関心の有無、意欲の有無…などなど、どこまで把握していますか?
算数の文章題が苦手な子。その子が80点を取りました。
もし、我が子が算数に苦手意識を持っていることを知っていれば、「80点か、まあまあね」ではなく、「80点だったの!がんばったじゃん!」となります。
きっと本気で練習したんだろうな、そういえば宿題でも分からないことを私に聞きに来ていたな、など、その子の努力を思い出して褒めることができるはずです。
我が子の「本気」を見つけましょう。
6年間で初めて、行動の記録の「責任感」に〇がつきました。
何に対してもルーズで面倒くさがりな我が子、責任感に〇がつくなんて大きな変化です。ここまでの成長の様子をよく見ていれば、過去の通知表のことを覚えていれば、「責任感ねえ、もうすぐ中学生だから当然ね」ではなく、「自分の性格や考え方を変えるのはすごく大変なのよ。とても大きな変化だわ」となります。
自分を変えるために努力したんだろうな、こんな変化が見られる日が来るなんて思ってなかったわ、など、その子の変化に驚きや喜びを感じるはずです。
我が子の「変化」を見つけましょう。
結果はどうあれ、本気で頑張る過程を褒めることはできます。
まだ成長途中であったとしても、変化の芽を褒めることはできます。
我が子の「本気」を見つけましょう。
我が子の「変化」を見つけましょう。
まとめ
通知表を持って帰った我が子に対して、3つの心構えをもって、温かく迎えてあげてくださいね。
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