先生の悩み


メリット、デメリットを知る
「学校のルールです」
では、子どもたちは納得しません。
子どもたちに言い聞かせるにせよ、自分たちで考えさせるにせよ、判断する材料を与えることが必要です。
1.鉛筆について
- 書く力によって、濃淡がよく表現できる→止め、はね、はらいが思い通りに書ける
- 字を習い始める小学生にとって、正しい持ち方、疲れない持ち方を身につけることができる
- 線の太さを変えられる→絵を描く時に思い通りの表現がしやすい(濃淡も)
- 毎日削る必要がある→明日の準備の習慣化につながる
- たくさん書くと先端が丸くなるので、途中で鉛筆を替える必要がある
- 鉛筆削りが必要
- 筆箱には随時5本程度入れておく必要があり、かさばる
2.シャーペンについて
- 一定の線の太さで書くことができ、削る必要もない
- 1本で済む(替え芯は必要)
- 種類が多く、自分に合うものを選べる
- 削らないので長さが変わらず、常に同じ持ち方ができる
- よく折れ、そのたびに集中力が途切れる
- 遊び道具になったり、授業中の手悪さの元になったりする
- 壊れるリスクが常にある(小学生はよく落としたり、踏んだりするので)
3.コストパフォーマンスは?
※いずれも売れ筋商品、人気商品の平均的な値段
☆初期費用
鉛筆1ダース…500円
鉛筆削り…2,400円
シャーペン1本…1,000円
替え芯…600円
こう見ると、圧倒的にシャーペンのコストパフォーマンスがいいです。
これにプラスアルファで、「鉛筆は毎日削って短くなるから、定期的に購入しないといけない」「シャーペンの替え芯はそんなに買うことはないだろう」と想像しますよね。
ところが、こんなデータがあるんです。
その筆記具で、どれだけ長い線を書くことができるかのデータだそうです。

私も、初めて見た時は、目が点になりました。このデータからいくと、鉛筆は他の追随を許さない圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。(他の検証データがなかったので、比較することができませんでした。これが全てではないと思います)
まとめ
学校としては、“鉛筆のメリット”を、成長期にある子どもたちにとって非常に大きいものとして捉えています。だから、日本のほぼ全ての学校が、「シャーペン禁止」にしているのだと思います。
話は変わりますが、日本は法治国家です。みんなが安心・安全に過ごすために法があり、みんながそれを守って生活しています。
そして、学校にもルールがあります。それは、子どもたちが安心・安全に学校生活を送るためです。
ただ、時代と共に考え方や、生活の仕方、周りを取り巻く環境は変わってきています。「時代に合わないから、そのルールを続けているのはおかしい」と感じることもたくさんありますよね。
しかし、ルールを変えていくには順序があります。そのルールはおかしいからと言って、自分だけ、または1つのクラスだけ、破っても良いということにはなりません。
子どもたちが「おかしい!」と思ったことに対しては、しっかりクラスで話し合わせていきましょう。
もちろん、学年によって対応の仕方は違うと思います。
低学年なら、そのルールがある理由をしっかり伝え、理解を促すことが必要です。
高学年なら、そのルールの是非を考え、変えた方が良いと思えば、クラスで話し合ったことを元に、校長先生に直談判に行ったり、児童会の議題にあげたりすることもできます。
教師の役割は、子どもたちを納得させるため、子どもたちが話し合う材料にするため、その根拠となる情報をしっかりと集め、いつでも発信することができるようにしておくことです。
☆アイキャッチの「笑顔の子どもたち」の写真は、Pixabayのstokpicさんが撮影した写真を使用させてもらっています。
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