心を育てる学級経営「係活動が停滞した時は」

アイキャッチ 学級経営

先生の悩み

先生と子どもの会話

再スタートの方法

 上の会話のように、「やりたい!」と言って始めた係活動なのに動きが停滞してしまったり、クラスのみんなで決めたことなのに全然守れなかったり…ということ、よくありますよね。

 そんな時、先生の権限で無理やりやらせる、又はルールを変更するというようなことをすると、子どものやる気を損ねてしまうことにつながります。最悪、子どもとの関係が悪くなる…なんていうこともあり得ます。

 そこで大事になってくるのが、先生が変えたい現状やルールも、「子どもたちの方から変えるよう動いた」という形をとることです。

1.相談にのる ←おススメ!

「なんでクラス遊びをしないの?」「なんでイラスト描かないの?」など、責めるような言い方ではなく、「困ったことがあったら相談に乗るよ」というスタンスで、話しかけます。

「最近、クラス遊びしてないけど、何かあった?」
「イラストが増えないけど、気になることがある?」

 多くの場合、「あ、そういえば…」「しまった、そうだった…」というような表情で、「大丈夫です…」と言って、その場を立ち去るでしょう。そして、近いうちに、活動を再開してくれます。

 また時々、「先生、実はクラス遊びをするといつもケンカになるんです」とか「この前描いたイラスト、○○くんに笑われたんです」など、本当に困ったことを教えてくれることがあります。そんな時は、個別に指導したり、クラス全体で話し合ったりして、活動を見直すきっかけにしましょう。

2.気づかせる

 変えてほしいこと、がんばってほしいことを直接伝えず、聞こえるところでつぶやきます。

「今日は良い天気だなぁ。クラスのみんなでおにごっことかしたら楽しいだろうなぁ」
「このイラスト上手いなぁ。次は何を描いてくれるんだろう」

 子どもたちも、やった方が良いということは分かっています。ただ、なかなかきっかけがなくて重い腰を上げられずにいるのです。

 この時、「~ができてないよ」とか、「~しなさい」というような指摘・命令のような言い方をしてしまうと、子どもたちの反発を招きます。

 そこで、「つぶやき」です。たまたま聞こえてきた言葉なので、子どもたちは「やりなさいと言われた」という意識にはならず、「自分の意思で動いた」と感じます。

「先生も、ああ言っているし、やってやろうか」「次のイラスト、楽しみにしてくれているんだな」と、先生の思いに応えるように行動に移してくれることでしょう。

3.時間をつくる

 何かの活動が上手くいかない、軌道に乗らないという場合、「時間がない」ことが原因であることが多いです。「係活動がスタートしました。あとは休み時間に相談したり、家で準備したりしてください」では、子どもたちは動きません。

 いくらやる気を持って始めたことでも、「自分の時間の多くを犠牲にしてみんなのためにがんばる」ことができる子はそういません。

 充実した活動にしていくためには、時間を確保してやることが重要です。5分でも10分でも、授業の終わりの余った時間を、時々自由に使わせてやることで、子どもたちは生き生きと動き出すことでしょう。もちろん、時間と共に、場所と物もしっかり確保してあげることをお忘れなく。

まとめ

 以上のような方法で、子どもたちが活動を再スタートさせたら、どんどん褒めていきましょう。

「あ、クラス遊び考えてくれたんだ。ありがとう!」
「素敵なイラストが増えたねー。また教室が楽しい感じになったね♪」

 こうすることで、活動を行ったことによる充実感と、褒められたことによる満足感という、ダブルのプラスの感情を得ることができ、次へとつながっていきます。

 褒めるために子どもを動かしていく(子どもは自分たちで考え動いたと思っている)ことを続けることで、少しずつ自主的に動けるような子に育っていくと思います。

 

 




☆アイキャッチの「笑顔の子どもたち」の写真は、Pixabaystokpicさんが撮影した写真を使用させてもらっています。

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