メディア依存症かもしれない(10歳男子)
解決のアイデア
自由な時間が多くなる夏休み。
メディアのリスクから子どもを守るためには、どうしたら良いのでしょうか。
アイデア① ルール作り
「よし、ルールを作るぞ!」と、張り切って家庭のルールを決めるのは良いのですが、
「夏休みは、こんなふうにメディアを使ってね。パパとママで考えたから」
は、絶対ダメです。
低学年なら、しぶしぶ納得するかもしれませんが、中学年、高学年の子には通用しません。守ってくれないばかりか、親子関係が崩れる恐れもあります。
ルール作りは、必ず親子一緒に行いましょう!
家庭によって、地域によって、考え方は様々だと思いますので、私が考える“目安”を載せておきます。(学級懇談会などで、私が保護者の方によくお話する内容です)
- メディアの時間は「2時間」まで…学校がある時なら、平日「1時間」、休日「2時間」
- 時間だけではなく、使っていい「場所」も決める
- 使っても良い「場面」、使うのは望ましくない「場面」を考える
- ルールは子どもだけではなく、「親も」守る
- “~ができなかったらゲーム無し”“~をがんばったらゲーム有り”など、メディアを「取引の材料」にしない
- 決めたルールは、大きな紙に大きな字で書き、良く見える複数個所に「掲示」する
- 「守れなかった時」のルールも決めておく
- 「寝る1時間前」になったら、メディアは使わない
- (できれば)仲良しの家庭と、共通のルールにする
家族でルールを決める時の参考になれば幸いです。
アイデア② 親子のコミュニケーションを増やす
みなさんは「メディア(特にゲーム)=悪」と決めつけていませんか?
なぜ、子どもはゲームにはまるんだろう、ゲームの何が子どもを惹きつけるんだろうと、ゲームが好きな子に寄り添ってみてください。そうすることで、見えてくるものがあるはずです。
お子さんに、今、どんなゲームの、どんなところにはまっているのか聞いてみましょう。そして、可能であれば一緒にやってみてください。
子どもは、自分と共通項のある人物に親近感を抱きます。親に対して親近感が沸くというのも変ですが、今まで以上に「安心して話せる存在」として頼ってくれるようになると思います。
自分が好きなことは、自分の好きな人にも理解してほしいものなのです。
ゲームに限らず、他のメディアについても、そのことに対してのコミュニケーションを取りながら使えると良いですね。
子「ねえ、見て。これおもしろいよ(有名ユーチューバーの動画)」
子「ここが難しいんだよね。パパやってみてよ(ゲーム)」
親「○○って歌手の歌、どこかで聞けないかしら(分からないふりをして聞く)」
親「今度、かばんを買おうと思うんだけど、どっちがいいと思う?」
☆一人で黙々と…、一人でコソコソと…、使うことがないように。
一方、こんな可能性もあるので、注意です。
メディアに夢中になっている子は、もしかしたら孤独や不安を抱えているかもしれません。普段から家族でたっぷりと会話をし、安心して気持ちを伝えられる雰囲気をつくっておきましょう。
メディア依存からの脱却
社会問題にもなっている「メディア依存」。 深夜までスマホを使ってしまうと悩む、中学1年生の女の子が参加した、「脱スマホ依存キャンプ」の特集です。いろいろ考えさせられます。
まとめ
メディア依存には、次のような悪影響があるようです。
【体への影響】
視力の低下、体重の急激な増減、授業中の居眠り、頭痛や吐き気、など
【心への影響】
イライラする、興味や感動の減衰、メディア以外のことにやる気が出ない、など
【生活への影響】
昼夜逆転、友達との関わりが減る、人間関係を築くことが難しくなる、など
香川県教育委員会『学校現場におけるネット・ゲーム依存予防対策マニュアル』より
※一部抜粋
大切なお子さんが、このような事態にならないよう、
- 家庭のルールを決めて、
- しっかりコミュニケーションをとって、
リスクヘンジできると良いですね。
☆アイキャッチの「スマホを見ながら退屈そうにしている子」の絵は、illustACのしらたさんのイラストを使用させてもらっています。
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