うちの子、メディア依存症かもしれない… ~リスクから子どもを守るためには~

アイキャッチ 生活面

メディア依存症かもしれない(10歳男子)

親子の会話1
親子の会話2

解決のアイデア

相談内容

 夏休みに入ってから、特に強く感じるのですが、うちの子「メディア依存症」ではないでしょうか。

 家族との団らんや、近所の友達との遊びより、スマホを触っている時間が長いんです。この前なんか、私が知らない友達のことを教えてくれたんですが、どうやらネット友達のようなのです。

 それに、なんかイライラすることが多くなった気がします。昨日は、充電をし忘れてて、ちょっとの間ログインできなかっただけで、ものすごい表情で怒っていました。暴れたりとかはなかったです。

 あともう一つ。最近、朝、ものすごく眠そうなんです。10時には「おやすみ」と、寝室に行っているのですが、その後ゲームしたりスマホを見たりしているんじゃないかと疑っています。そっと覗きに行こうかとも思ったのですが、さすがにそこまでは…。

 自由な時間が多くなる夏休み。

 メディアのリスクから子どもを守るためには、どうしたら良いのでしょうか。

アイデア① ルール作り

「よし、ルールを作るぞ!」と、張り切って家庭のルールを決めるのは良いのですが、

「夏休みは、こんなふうにメディアを使ってね。パパとママで考えたから」

は、絶対ダメです。

 低学年なら、しぶしぶ納得するかもしれませんが、中学年、高学年の子には通用しません。守ってくれないばかりか、親子関係が崩れる恐れもあります。

ルール作りは、必ず親子一緒に行いましょう!

 家庭によって、地域によって、考え方は様々だと思いますので、私が考える“目安”を載せておきます。(学級懇談会などで、私が保護者の方によくお話する内容です)

  • メディアの時間は「2時間」まで…学校がある時なら、平日「1時間」、休日「2時間」
  • 時間だけではなく、使っていい「場所」も決める
  • 使っても良い「場面」、使うのは望ましくない「場面」を考える
  • ルールは子どもだけではなく、「親も」守る
  • “~ができなかったらゲーム無し”“~をがんばったらゲーム有り”など、メディアを「取引の材料」にしない
  • 決めたルールは、大きな紙に大きな字で書き、良く見える複数個所に「掲示」する
  • 「守れなかった時」のルールも決めておく
  • 「寝る1時間前」になったら、メディアは使わない
  • (できれば)仲良しの家庭と、共通のルールにする

 家族でルールを決める時の参考になれば幸いです。

アイデア② 親子のコミュニケーションを増やす

 みなさんは「メディア(特にゲーム)=悪」と決めつけていませんか?

 なぜ、子どもはゲームにはまるんだろう、ゲームの何が子どもを惹きつけるんだろうと、ゲームが好きな子に寄り添ってみてください。そうすることで、見えてくるものがあるはずです。

 お子さんに、今、どんなゲームの、どんなところにはまっているのか聞いてみましょう。そして、可能であれば一緒にやってみてください。

 子どもは、自分と共通項のある人物に親近感を抱きます。親に対して親近感が沸くというのも変ですが、今まで以上に「安心して話せる存在」として頼ってくれるようになると思います。

 自分が好きなことは、自分の好きな人にも理解してほしいものなのです。

 ゲームに限らず、他のメディアについても、そのことに対してのコミュニケーションを取りながら使えると良いですね。

子「ねえ、見て。これおもしろいよ(有名ユーチューバーの動画)」
子「ここが難しいんだよね。パパやってみてよ(ゲーム)」
親「○○って歌手の歌、どこかで聞けないかしら(分からないふりをして聞く)」
親「今度、かばんを買おうと思うんだけど、どっちがいいと思う?」

☆一人で黙々と…、一人でコソコソと…、使うことがないように。


 一方、こんな可能性もあるので、注意です。

 メディアに夢中になっている子は、もしかしたら孤独や不安を抱えているかもしれません。普段から家族でたっぷりと会話をし、安心して気持ちを伝えられる雰囲気をつくっておきましょう。

メディア依存からの脱却

 社会問題にもなっている「メディア依存」。 深夜までスマホを使ってしまうと悩む、中学1年生の女の子が参加した、「脱スマホ依存キャンプ」の特集です。いろいろ考えさせられます。

TBS NEWS DIG Powered by JNN より

まとめ

 メディア依存には、次のような悪影響があるようです。

【体への影響】
 視力の低下、体重の急激な増減、授業中の居眠り、頭痛や吐き気、など

【心への影響】
 イライラする、興味や感動の減衰、メディア以外のことにやる気が出ない、など

【生活への影響】
 昼夜逆転、友達との関わりが減る、人間関係を築くことが難しくなる、など

    香川県教育委員会『学校現場におけるネット・ゲーム依存予防対策マニュアル』より
    ※一部抜粋

     大切なお子さんが、このような事態にならないよう、

    • 家庭のルールを決めて、
    • しっかりコミュニケーションをとって、

    リスクヘンジできると良いですね。


    ☆アイキャッチの「スマホを見ながら退屈そうにしている子」の絵は、illustACしらたさんのイラストを使用させてもらっています。

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