子どもの行動SOS「予定を守ってくれない!」~視覚に訴えよう~

アイキャッチ 生活面

予定を守ってくれない(7歳男子)

親子の会話1

放課後…

親子の会話2

解決のアイデア

相談内容

 小学校から帰って来た、友達と遊びたい盛りの7歳男子。しかし、私(母)や友人家庭の都合もあり、今日は遊べないことを前日の夜から伝えていました。朝確認したときはよく覚えていて、これなら大丈夫と思っていたのに…。

 放課後帰宅し、遊べないことが分かると、彼は豹変します。「お母さんのせいだ。超ムカつく!」と怒りの感情をぶつけ、物を投げたり、壁を蹴ったりしました。そして私の制止を振り切り、遊びに行ってしまったのです。

 前日の夜、明日は習い事があること、友達も習い事があり遊ぶのは難しいこと、母親も早めに夕食の準備をしなければならず忙しいことなど、具体的な説明をし、遊びには行かず習い事の時間まで家で宿題をするよう話をしたのにもかかわらず…。

アイデア① 明確な理由を示す ←おススメ

 子どもに対して、なぜ今日は遊ぶ約束をしてはいけないのかを丁寧に説明しましょう。具体的な理由を伝えることで、彼らが納得しやすくなります。「今日は、あなたにも予定があって、お母さんも○○をしないといけなくて、友達にも習い事があるから、遊ぶことはできないんだよ」と説明してみてください。

 え?そんなのいつもやってるって?

 そうですよね。そこで、この一工夫。

視覚に訴えながら説明する!

 スマホのスケージュール表(時間ごとの予定がわかるもの)でも良いですし、その辺にある裏紙に手書きの表を作っても良いです。

 その表に予定を書きこんだものを見せながら、「ほら、明日は5時から6時はスイミングで埋まっているでしょ。いつもならこの時間が空いているから、遊びを入れることができるのよ」「それに、明日はお母さんも、4時から4時半は、こういう用事が入っているから、友達のお家まで送り迎えしてあげることもできないの」「だから、明日は遊びに行くのをがまんしてね」と、説明します。

 なぜ、このような方法をとるのかというと、低学年くらいの子は、耳からの情報より、目からの情報の方が、理解しやすかったり、記憶に残りやすかったりするからです。

 欄が埋まっていれば、遊びを入れられないと伝わります。

 もちろん、当日に伝えるのはNGですよ。急な予定変更は、大人でもしんどいです。

 前日、またはそれより前に、余裕をもって伝えておきましょう。

アイデア② 見通しを持たせる

 一方的な禁止では、子どもにモヤモヤが残ります。

 「今日は遊べないけど、明日は遊べるよ」「月曜日は無理だけど、火曜日と水曜日はいっぱい遊んでおいで」などと、子どもに伝えてみましょう。

 「今日遊べない…」「明日も遊べないかもしれない…」そんな心配をする子、実は多いです。次は遊べるよということを明確にしておくと、「今日くらい、我慢しよっか」という気持ちになれるのです。

アイデア③ 繰り返し伝える

 とにかく繰り返し伝えます。力技です(笑)

 1週間くらい前から、「来週の月曜日は…」「明々後日は…」「明後日は…」「明日は…」「今日は…」と繰り返し伝えます。

 単に忘れっぽいという子もいるのです。

 繰り返しが一番効果的なこともよくあります。

アイデア④ 自己決定させる

 2年生くらいになれば、自己決定の機会を与えてみましょう。子どもが時間を管理したり、自分の感情をコントロールできるように、成長を促していきたいものです。

「明日は、こういう予定だよ」「毎日の、宿題や夜ご飯、お風呂、明日の準備は、外せないよね」「さらに、お母さんもこんな予定があるの」「じゃあ、遊びに行くためにはどうしたらいいと思う?」

と、投げかけてみてください。

「そっか、これじゃあ遊びに行く時間はないね」

と、納得する子もいれば、

「ここでこうして、これをこうすれば、遊びに行ける!」

と、かなり無理やり遊びに行けることをアピールする子もいます。

 この方法を行うときに注意するのは、子どもが出した答えを尊重し、やらせてみることです。成功すればそれで良いですし、失敗しても、なぜ失敗したのか振り返らせることで、一歩成長することができます。

「あー、それじゃあ無理だわ。やめておいたら」

と、頭から否定すると、自己肯定感が下がってしまいます。子どもが自分で考えて決めたことを、ドキドキしながら見守ってあげてください(笑)

まとめ

 今回のSOS、私の一番のおススメは、「視覚に訴えながら、明確に理由を示す」です。

 対象の子の学年によっては、「自己決定させる」ことも必要になってくるでしょう。

 ただ、気を付けてほしいのが、一つの方法を試してみてダメだった時、「あー、やっぱりうちの子はダメねぇ」と悲観してしまうことです。子どもが100人いれば100通りのやり方があります。これがダメならこれ、次はこれと、その子に合った方法を探し続けてください。

 また、こういうネットや教育書には、一般的なこと(または、大衆的なこと)が多く書かれています。全ての子に共通して「これだけやっておけば大丈夫!」というものはないと、頭の片隅に置いておいてください。

 書かれているアイデアを見ながら、「うちの子ならこれが一番合うと思うわ」「うちの子はこういうこだわりがあるから、この部分はこう変えて試してみようかしら」と、その子に合わせてアレンジし、活用してくださいね。




☆アイキャッチの「怒る男の子」の絵は、はちドットビズのイラストを使用させてもらっています。

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