小2算数「時こくと時間」~授業アイデア編~(時刻、時間、午前、午後…用語が多い!)

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小2算数「時こくと時間」~1年生の復習編~(何時何時半、何時何分)
この記事は、上記の続編となっております。「時こくと時間」の学習に入るまでに、子どもたちがどれくらい1年生の時の学習を覚えているのか確認しておこう!という内容です。併せてご覧いただけると幸いです。

いよいよ本番

 子どもたちの実態が分かったところで、いよいよ「時こくと時間」の単元に入ります。

※「私の問いに、子どもが答える」というような形式で、授業の流れを書いています。授業を実施する人でないと、何もおもしろくないかもしれません…。

そもそも、「時刻」「時間」とは何か

算数用語

時刻と時間 ※一部抜粋

時刻は,時の流れの中の各瞬間,つまり,1点を示し,時間は,時刻のある点からある点までのへだたり,つまり,時の経過の長さを示すものです。
したがって,時間は,加法や乗法など計算の対象になりますが,時刻については,加法や乗法などを考えることができません。
時刻は,児童の日常生活と関連させ,時計の読みを通してとらえさせることができます。

しかし,時間という量は,長さやかさなどとちがって,見かけではとらえにくく,基準となる単位を設けて直接測るということもむずかしいものです。
指導にあたっては,日常生活の中での行動や経験と対応させて,具体的な場で1点を示す時刻と,へだたりを示す時間とのちがいをつかませ,しだいに時間の概念を育てていくことがたいせつです。

啓林館算数用語集より

「時刻」と「時間」を知る

 ☆教科書の挿絵を拡大したもの(デジタル教科書ならなお良い)、提示用の大きな時計を準備

用語を知ろう!

 時刻は、1年生で学習した「何時何分」のことです。

 時刻は、物事の「点」です。何かを始めたその一瞬、何かを終えたその一瞬。

「朝起きた時刻は…6時30分(1日が始まったその一瞬の点)」
「家に帰った時刻は…4時15分(歩いて帰ることが終わったその一瞬の点)」

 朝の登校風景を見せます。(教科書の絵)

「家を出発する時刻は7時35分です。
 学校に到着する時刻は7時50分です。
 では、家を出て学校につくまでの時間は何分間でしょう」

 これが時間です。

 点と点の間の長さ、始めた時刻から終わる時刻までの間のことです。

定着を図ろう!

 提示用の時計を使って、みんなで問題を解きます。

問題

家を出発する時刻は7時35分です。
学校に到着する時刻は7時50分です。
では、家を出て学校につくまでの時間は何分間でしょう。

「7時35分に出発したよ」
「36分になったら、1分たったってことだね」
「37分になったら、2分たったってこと」
「38分で?」『3分』
「39分で?」『4分』
「40分で?」『5分』
(目盛りだけ動かし、子どもと一緒に時間を言う)
『6分、7分、8分…15分』

「じゃあ確認」
「長い針が35分をスタートして、50分のゴールに着くまで、何分かかった?」『15分』
「ということは、学校に着くまでの時間は?」『15分』
「時間は〇分間って答えるから、15分間と言います」

応用問題を解いてみよう!

問題

7時にゲームを始めました。
8時に終わりました。
ゲームをしていた時間は何分間でしょう。

 提示用時計を使ってみんなで考えます。

「7時から8時まで数えるよ」
『1、2、3、4…』or『5、10、15、20…』or『10、20、30…』(数え方はクラスの実態によって変えてください)
「かかった時間は?」『60分間』
「正解!60分間の別の言い方知ってる?」『1時間』←誰かが必ず知っています。
「すごいねー!60分間は1時間。1時間は60分間なんだね」

発展問題にチャレンジしよう!

問題

遠足に行きました。
9時に学校を出発して、いっぱい遊んで2時10分に帰って来ました。
遠足に行っていた時間はどれくらいですか。

 ここでも提示用時計で一緒に考えます。
「9時からスタートしてみるよ」『9時10分、20分、30分…60分』
「ストップ。今10時になったけど、ここまで何分間だった?」『60分間』
「別の言い方で言うと」『1時間』
「つまり、9時から10時までで1時間たったっていうことだね」
「同じように、10時から11時までで」『1時間』
「11時から12時までで」『1時間』
「12時から1時までで」『1時間』
「1時から2時までで」『1時間』
「帰って来たのは2時10分だから、余っているのは?」『10分間』

※黒板にテープ図のようなものを書いて視覚化すると分かりやすいです。

「1時間と1時間と1時間と……10分で、合わせて」『5時間10分』

「正午」「午前」「午後」を知る

 子どもの困り感(どうしよう…、変だぞ…、困ったぞ…)を引き出します。

何気ない会話からスタート!

思考のカギ

昨日先生、8時ごろ散歩したんだ。
田んぼからカエルの声が聞こえたり、山の方から鳥の声が聞こえたりしたよ。

『バッタとかいた?』『お花咲いてた?』
「分かんない」『え、何で?』
「だって暗かったから」『昨日は雨とか降ってなかったじゃん』
「うん、晴れてたよ。空には星がいっぱい出ててきれいだった」『(一瞬の間)……なんだ、夜かあ』「みんな朝の8時だって思ってたでしょ」『うん』

「8時って朝と夜の2つあるんだよね」

用語を知ろう!

「1日のちょうど真ん中を正午と言います」
「お昼の12時だね」

「正午より前を午前と言います」
「正“午”の“まえ”だから“午前”だよ」
「午前は、夜中の12時からお昼の12時までのことです」

「正午より後を午後と言います」
「正“午”の“あと”だから“午後”だよ」
「午後は、お昼の12時から夜中の12時までのことです」

定着を図ろう!

 時計を動かしながら。

「午前は、夜中の12時スタートだよ。1時、2時…12時。ここが正午」
「何時間だった?」『12時間』
「午後は、お昼の12時スタート。1時、2時…12時」
「何時間だった?」『12時間』
「午前が12時間、午後が12時間だね」
「ということは、1日は何時間?」『24時間』

応用問題を解いてみよう!

思考のカギ

今、夜中の12時から、午前、正午、午後と時計を動かして確認したね。
何か気づいたことある? ←この問いかけ、私はけっこう使います。

『同じ時間が2回ある』
『時計が(短い針が)2周した』

「午前の12時間で1周して、午後の12時間で1周して、確かに2周してるね」
「ということは、朝の8時、夜の8時みたいに、全部2回ずつあるってことだね」
「だから、最初の散歩の話の時みたいに、勘違いが起こるよね」

「どうしたらいいと思う?」
『違う言い方にする』→24時制につながる
『苗字を変える』→午前〇時、午後〇時につながる
『ニックネームをつける』→夜の〇時、夕方の〇時、おやつの〇時など、今までの言い方も使える

 子どもって、本当に面白い考え方をしますよね。しかも、それらは往々にして、私が次に教えたいことにつながってしまうのでビックリです。※私は『苗字を変える』がツボでした(笑) 『同じ“なおき”くんでも、石原“なおき”くん、安達“なおき”くんって苗字をつけて呼べば、どっちか分かるでしょ』ですって。

「午前にある8時を午前8時、午後にある8時を午後8時と言います」
「お昼より前が午前〇時で、お昼より後が午後〇時だよ」

 大きな時計を動かしながら。

「この時間に夜ご飯を食べました。何時?」『午後7時』
「この時間にミニトマトの水やりをしました。何時?」『午前8時20分』

発展問題にチャレンジ!

「午後の時間は全部、別の言い方をすることがあります」
「15時とかって聞いたことある?」『たぶん、ある』

「午後は、午前の12時間が終わった後にやってきます」
「だから、午後の時間に12時間を足して言う場合もあります」

「例えば、午後3時は、3+12で15時です」
「午後8時は、8+12で20時です」
「じゃあ午後5時は?」『5+12で17時です』

「その反対もあります」
「大きい時間の時は、12を引くと、午後何時か分かります」

「例えば、23時は、23-12で午後11時です」
「13時は、13-12で午後1時です」
「じゃあ18時は?」『18-12で午後6時です』

「12を足したり、引いたりできるのは午後だけね」
「なぜかというと、午後は午前の12時間が終わった後の時間だからだよ」

まとめ

 用語の習得は、どうしても教師から子どもへの「一歩通行」になってしまいがちです。でも、それも避けては通れない大切な学習です。体を動かすこと、意見を戦わせて議論すること、頭から煙がでるくらい思考することはもちろん大事ですが、その土台がしっかりしていないとどこかで崩れてしまいます。

 基本がしっかりできた上での活用です。

 ですが、知識の習得は、子どもたちにとってつまらないものであることは事実です。できるだけ子どもたちが飽きないように、できるだけ子どもたちの記憶に定着するように、テンポ良く、そして時々心を揺さぶりながら、進めていきたいですね。

この単元で身につけるポイント
  • 時刻は「点」、時間は点から点までの「長さ」
  • 時間は「〇分」「〇時」と言う。
  • 60分間=1時間
  • 1日のちょうど真ん中、お昼の12時が「正午」
  • 正午の前の12時間が「午前」(夜中の12時からお昼の12時)
  • 正午の後の12時間が「午後」(お昼の12時から夜中の12時)
  • 午前〇時、午後〇時の使い分け
  • 24時制



☆アイキャッチの「時計を見つめる男の子」の写真は、photoACacworksさんの写真を使用させてもらっています。

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