先生の悩み
数分後…
道具の使い方
1年生は、「これでもか!」と言うほど、基礎基本から教えていかないといけません。
「たぶん、保育園で経験して来ているだろうな」は、ご法度です。
保育園の保育方針は園によって大きく違います。文字に全く触れさせていない保育園、楽器の演奏に力を入れていた保育園、全員逆上がりができてから卒園させた保育園、椅子に座る活動を全くしていない保育園など、それはもう千差万別です。
クラスの誰か一人でも経験していないのであれば、丁寧に教える必要があります。
ちなみに、ご存じない方のために、「チョッキンパッでかざろう」はこんな学習です。
1.はさみの使い方
使い方を教える前に、まずはルールを徹底させておきましょう。はさみは、間違った使い方をすると、大きなケガにつながります。(人に向けない、振り回さない。持って移動する時や人に渡すときは、刃を握る。しばらく使わない時は、キャップをつけるか、引き出しにしまう。など)
- 持ち方…片方の穴に親指、もう片方の穴に人差し指と中指を入れます。
- 姿勢…脇をしめてはさみを安定させ、体の正面にはさみが来るようにします。
- 切り方…「直線を切るときに、はさみをどんどん奥の方に動かしていく」「曲線を切るときに、はさみをぐるっとカーブさせる」のではなく、紙の方を動かします。はさみは、自分の体の正面で固定です。
- 長い線を切る時…「刃が途中まで閉じたら開く」「奥につめる」を繰り返します。刃の先までチョッキンと切りません。
- 厚い紙を切る時…切る力の弱い刃の先ではなく、刃の奥を使います。
- 細かく切る時…動きを確認しやすく、力の調整がしやすい刃の先を使います。
※「先生、紙が全然切れません…」と言ってきた子のはさみをよく見ると、その子は左利きなのに、右利き用のはさみだったということがありました。保護者の方が、そこまで確認して購入していない場合もあります。
2.のりの使い方
以前は入学準備品として、「つぼのり(黄色いカップに入ったでんぷんのり)」を購入してもらっていたのですが、いつの頃からか、アラビックヤマトのような液体のりに変わっていました。
衛生面や片付けの手間などを考慮したのでしょうか。つぼのりには、多くのメリットがあったので、できれば低学年では指で延ばすのりを使わせたかったのですが…。
液体のりを使うときのポイントです。
- のりを適量出しながら、スポンジ部分で均等に伸ばしていきます。(液体のりを紙の上に大量に出してから、おもむろに広げていく子が本当に多いです…)
- のりがついた手で、絶対に他の物や友達に触らないようにします。(べたべたした手で、友達の髪の毛なんかを触った日には、地獄です…)
- 接着力が強く、しっかりとした工作をしたい時にも使えます。(そういう場合はボンドを使うのですが…)
- 水分を多く含むので、出し過ぎると乾くのに時間がかかります。(なかなかつかないなあ→さらに出す→水分増える→さらに乾きにくくなる→なかなかつかないなあ…エンドレス)
- 使い終わったらすぐキャップをするか、しばらく使い続ける時は、引き出しにキャップをしまうようにします。(キャップの紛失がなくなります…)
- 使い始める時は、必ず中蓋が取ってあるか確認しましょう。(中蓋がついたままでのりが出ず、泣く子がいます…)
まとめ
冒頭にも書きましたが、1年生は、「これでもか!」と言うほど、基礎基本から教えていかないといけません。
1年担任の経験が少ない先生から見ると「過保護」だと思われるかもしれませんが、基礎基本がしっかり身についているからこそ、学年が上がった時の多様な表現の仕方や、想像力を膨らませた作品制作につながります。
子どもたちがどのように「はさみ」や「のり」を使っているか、もう一度確かめてみてください。
☆アイキャッチの「折り紙とはさみ」の写真は、photoACのkimtoruさんが撮影した写真を使用させてもらっています。
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